隠された宝

第6課 心の無線電話

「リーンリーン、リーンリーン」
 居間の電話がなっています。
「あっ、お父さんからだ」
 さと子さんはいそいで受話器をとりました。
「もしもし、さと子かい。お父さんだよ」
出張で九州に出かけたお父さんの元気な声が、受話器の向こうから聞こえてきます。さと子さんは、久しぶりにお父さんの声を聞いてすっかりうれしくなり、学校のことや家のことをあれこれと話しました。
 みなさんも、電話で遠くに住んでいる人とお話をしたことがあるでしょう。電話でなつかしいい人とお話をすることはとても楽しいですね。
 お祈りは、神様とわたしたちを結ぶ無線電話です。わたしたちはこの無線電話を使って、いつでも神様にお話しすることができます。神様はわたしたちの祈りに答えて、わたしたちを助けてくださいます。

1. イエス様とお話しよう

「健一君とさと子さんは、神様とお話したことがあるかい?
「神様とのお話って、お祈りのことでしょう。お祈りならよくしているよ」
「わたしも食事の前とか、朝起きたときとか、ねる前とか、それから困ったときとかお祈りしているわ」
「そうだね。お祈りは神様とのお話だから、なんでもお話することだね。朝はたくさんお話することがあるね。夜の間守ってくださってありがとうございますとか。すがすがしい朝、明るい太陽、かわいい小鳥の声をありがとうございますとか。それからお祈りは、わたしたちがお話するだけではなく、神様のお声を聞くこともふくまれているのだよ。神様のお声は直接わたしたちの耳には聞こえてこないかもしれないけれど、お祈りをして聖書を学んでいると、聖書をとおして神様がわたしたちの心の耳に話かけてくださるのがわかるよ」
「わたしは、お祈りのとき自分一人で話していたわ。こんどは静かに一人でお祈りして、神様のお声を聞いてみたいわ」

2. イエス様を信じてお祈りしよう

「お祈りするときには、イエス様の力を信じてお祈りすることが大切だよ。マタイによる福音書21ノ21、22にはこう書いてあるよ。『もしあなだがたが信じて疑わないならば……信じて求めるものは、みな与えられるであろう』」
「イエス様を信じるとすばらしいことができるのね」
「おじさん。神様はどんなお祈りでも聞いてくださるわけではないしょう。ぼくは、すっと前から自転車がほしくてお祈りしているんだけれど、まだ与えられていないんだよ」
「わたしもテストの前など『神様100点をとらせてください』と祈ったらどうだろう。神様はこの祈りを聞いてくださるだろうか」
「そんな勝手なお祈りは聞いてもらえないよ。第一、そんなことをしたらその子はいつまでもまじめに勉強する習慣がつかないし、その子のためにならないもの」
「乱暴でいじわるな男の子がいて、人前では強がりを言っていたけれど、さびしくて『神様、どうかぼくにも友達をあたえてください。』とお祈りした。このお祈りは聞かれるだろうか」
「かわいそうだけれど、すぐには聞かれないんじゃないかしら。その子が自分の態度をまず改めないといけないと思うわ」
「そうだね。神様はすぐにお祈りを聞いてはくださらないかもしれないけれど、この男の子の場合は、どうして友達ができないかを示してくださるだろうね。そしてその子が反省して、思いやりのある少年に変ったら、その祈りに答えてくださるだろうね」
「お祈りが聞かれるためには、わたしたちにもしなければならないことがあるのにね」
「そうだね。聖書には次のように書いてある。『……わたしたちが何事でも神の御旨にしたがって願い求めるなら、神はそれを聞き入れてくださる……』(ヨハネの第一の手紙5ノ14)神様にお従いしている人の祈りや、神様のみこころにかなう願いは、神様のみこころにかなう願いは、答えていただけるということだね。しかしたとえ自分の願いどおりにならなくても、神様は一番よい方法で答えてくださると聖書にかいてあるよ。『神は、神を愛する者たち、すなわち、ご計画に従って召された者たちと共に働いて、万事を益となるようにしてくださることを、わたしたちは知っている』(ローマ人への手紙8ノ28)」

3. いつもお祈りしよう

アメリカのある病院を設立したヘンリー・フォースターというお医者さんがいました。彼はとても頭がよく、しかもやさしいお医者さんだったので、年とった人からも若い人からも尊敬されていました。あるときこの病院を訪れた一人の人が、そこに長年つとめているお医者さんに、
「フォースター先生のすばらしい知恵の秘訣はなんですか」
とたずねました。
 年ぱいの医師はその質問にすぐには答えず、客をフォースター先生の部屋に案内しました。そして簡素な机のそばの敷物を指さしました。敷物は二ヶ所が丸くすりきれて、もようが見えなくなっていました。案内の医師は静かに言いました。
「どうして、あそこがすりきれているかおわかりになりますか。先生は、毎日長い時間あそこに膝をついて祈っておられるのです。フォースター先生の知恵と力の秘訣は、神様に祈るということなのではないでしょうか」

まとめ

 お祈りは神様とわたしたちを結ぶ無線電話です。 わたしたちがこの無線電話でお話すると、神様はそれに答えて、わたしたちを助けてくださいます。
 祈るときにはイエス様を信じて、イエス様にお従いして祈りましょう。神様はわたしたちの祈りに一番よい方法で答えてくださいます。みなさん、いつでも、どこでも神様においのりしましょう。

宝のことば

「求めよ、そうすれば、与えられるであろう。捜せ、そうすれば、見いだすであろう。もんをたたけ、そうすれば、あけてもらえるであろう。すべて求める者は得、捜す者は見いだし、門をたたく者はあけてもらえるからである」マタイによる福音書7ノ7、8

天の神様、いつもお守りくださり感謝いたします。聖書をよく学んで、神様の教えにすなおに従えるようにしてください。人々に親切にし、家のてつだいを喜んでできるようにおたすけください。イエスのみ名によってお祈りいたします。アーメン*
* アーメンとは、「忠実、真実」「そのとおりです」といういみです。もともとはヘブル語ですが、世界中で使われています。
第6課 復習問題

1. 「宝のことば」を書いてください。


2. お祈りを何にたとえることができますか。1を読んで考えましょう。


3. お祈りはわたしたちがお話するだけでなく、誰の声に聞くことですか。1を読んで考えましょう。


4. 神様は時々お祈りに答えてくださらないのはなぜだと思いますか。2を読んで自分の考えを書いてください。


5. 2を読んで「   」の中にことばを書き入れてください。
神は、神を「     」した者たち、すなわち、「     」にしたがって召された者たちと共に「     」、万事を「   」となるようにしてくださることを「    」はしっている。
                ローマ人への手紙8ノ28

6. この課を勉強して感じたことや、実行したいことがあれば書いてください。


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