隠された宝

第3課 宝のみつけかた

1. 聖書の読み方

「おじさん、こんばんわ。今日は聖書の読み方を教えてくださるんでしょう」
「健一君とさと子さんは今日もお隣のおじさんの家にやってきました。」
「そうだったね。その前に二人にいいものを買っておいたよ」
「えっ、これ、聖書でしょう。いただいてもいいんですか」
「おじさんからのプレゼントだよ。聖書の話をするのには聖書があった方がいいからね。それでは、まずお祈りしてから始めようか」
 おじさんはそう言って、お祈りを始めました。そしてお祈りが終わると、さっそく聖書の読み方について四つ話してくれました。
「? 聖書は神様のみことばだから、祈る心で読まないといけないんだよ。聖書にはむずかしくて、わかりにくいかしょもあるけれど、神様にお祈りしながら読むと、神様が理解させてくださるのだよ。
?それから、聖書を読むときは熱心に研究することが大切だね。ただぼおっと読んでいてはいけないんだ。昔も、聖書を熱心に研究していた人たちがいてことが聖書に書いてあるよ。使徒行伝17ノ11をよんでみよう」
「『ここにいるユダヤ人はテサロニケの者たちよりも素直であって、こころから教えを受け入れ、果たしてそのとおりかどうか知ろうとして、日々聖書を調べていた』」
「ふーん、毎日調べていたんだね」
「読むだけではなく、わからないかしょがあったら、意味をしらべるとか、聖書のほかのかしょではどういっているかなど調べるといいね。
?それから聖書を読むときは、疑いながら読むのではなく、信じる気持ちで読むことが大切だね。信じて読んでいると、聖書のみことばはわたしたちの心に働いて、私たちの心を変えてくれるんだよ」
「ピットケアン島のジョンの心を変えたようにでしょう」
「?そうだよ。それからみことばに従う気持ちで読むことが大切だ。せっかくみことばの種が心にまかれても、自分の生活を変えようとしないなら、それはいばらの中にまかれた種と同じで、よい実を結ぶことはできないからね」
「おじさん、わたし聖書を読むのが楽しみになってきたわ」

2. 聖書の宝
「おじさん、きのう、天国に畑にかくしてある宝のようなものであるって言っていたけれど、もう少し、その話をしてよ」
「うん、いいよ。昔、ユダヤの国では、金持ちは宝やお金を土の中にかくしていたそうだ。強盗やどろぼうにとられないようにね。それともう一つの理由は、戦争が多くて敵におそわれたりする危険もあったからだ。そして、宝をかくした人が死んだり、殺されたり、国から追放されたりして、宝のありかがわからなくなったり、忘れさられたりしたこともあったそうだ。貧しい農夫が畑を耕しているうちに、そういった宝物をみつけることもあったらしいんだ。宝物を見つけた農夫はそれをそっとかくして、自分の持っているものをすべて売りはらってお金をこしらえお金をこしらえ、その土地を買ったわけさ」
「いいなあ、ぼくもそんな宝をみつけたいなあ」
「でも、聖書の中にはお金で買うことのできない宝がいっぱいつまっているんだよ」
「畑の中にあった宝は、お金とか宝石でしょ。でも聖書の中の宝っていうのは何なの」
「聖書の中には、イエス・キリストのことと、イエス・キリストをとおしてすくいに至る道のことがかかれているんだ。これが本当の宝なんだよ。この宝は盗まれたり、なくなったり、さびついたりしない宝なんだ。つまり、イエス・キリストに罪をゆるしていただいて救いの喜びをいただいたら、その喜びをだれもとり去ることができないということだよ」
「ぼくは宝もほしいし、本当の宝も欲しいなあ」
「まあ、お兄さんたら欲張りね!」
「じゃあ最後に、地上の宝物がありすぎて天に宝をたくわえることができなかった人の話をしてあげよう」
 おじさんはそう言って、聖書に書いてある一人の金持ちの青年の話をしてくれました。

3.金持ちの青年

 ある時、一人の立派な身なりの青年がイエス様のところにたずねてきました。彼はしんけんな顔で、
「先生、永遠の命を得るためにはどんなことをしたらよいでしょうか」とたずねました。
 イエス様はこのまじめそうな青年をひと目見るなり、こんな青年が自分の弟子になって人々のすくいのために働いてくれたらよいのにと、お思いになりました。そこで青年の質問に答えて、
「もし命の入りたいとおもうなら、いましめを守りなさい」と言われました。
 青年はユダヤの律法も十のいましめも全部知っていて、みんな守っていました。でも、まだ何かしなくてはいけないことがあるようなきがしていましたので、
「それはみな守ってきました。ほかに何が足りないのでしょうか」と言いました。
 イエス様は、「もしあなたが完全になりたいとおもうなら、帰ってあなたの持ち物を売りはらい、貧しい人々にほどこしなさい。そうすれば、天に宝をもつようになろう。そして私に従ってきなさい」とおっしゃいました。
 「このことばを聞いた青年は、そのまま首をうなだれ、だまってその場を立ち去ったのでした。この青年は大金持ちだったので、その富をてばなすことができなかったのです。
 イエス様に従うことには、苦しいことも犠牲もあります。しかし、聖書の宝を決してなくならないもの、犠牲をはらっても、手に入れる価値のあるものです。

まとめ

 聖書は神様もみことばですから、祈りながら読みましょう。神様がわたしたちを助けて理解させてくださいます。聖書にはむずかしい個所もありますが、熱心に研究しながらよみましょう。
 聖書の宝は、決して盗まれたり、なくなったりしないものです。みなさんもこの講座を勉強して、ぜひ聖書の宝をさがしてみてください。

宝のことば

 「あなたがたは自分のために、虫が食い、さびがつき、また、盗人らが押し入って盗み出すような地上に、宝をたくわえてはならない。むしろ自分のため、虫も食わず、さびもつかず、また、盗人らが押し入って盗み出すこともない天に宝をたくわえなさい。」
マタイによる福音書6ノ19、20


第3課 復習問題

1. 「宝のことば」を書いてください。

2. 聖書はどのように読んだらよいのでしょうか。1を読んで考えましょう。
  ?
  ?
  ?
  ?

3. 昔、ユダヤの国の金持ちはなぜお金や宝を土の中にかくしていたのですか。
宝を土の中にかくしていたのですか。2を読んで考えましょう。






4. 聖書の宝とは何ですか。2を読んで考えましょう。

5. 金持ちの青年はなぜイエス様に従うことができなかったのですか。3を読んで考えましょう。

6. イエス様は金持ちの青年に、天に宝を持つにはどうしたらよいとおっしゃいましたか。
3を読んで考えましょう。

7. この課を勉強して感じたことや、実行したいことなどがあれば書いてください。


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